FCAとEXWは同じですか?
今年は年初からコロナばかりで、ほとんど報道されませんでしたが、
インコタームズが10年ぶりに今年1月に改訂されました。
日本では長年にわたってEXWやFOBがメインでしたが、
世界で40%以上の取引がFCAになってきたことを反映して、
インコタームズ2020では、FCA(Free Carrier)が主役になっています。
日本ではまだEXWやFOBがメインな取引条件として使われてきましたので、
取引先からFCAを提示されてお問い合わせが多くなっています。
Q&Aから一部をご紹介しましょう。
① FCA 工場名 の場合は、=EXWと同じことでしょうか?
→ この理解でよろしいと思います。
買主指定のForwaderがピックアップにくるので、FCAと言っているのだと思います。
通常、ForwaderはCarrierの代理店でもあるので、Carrier=Forwaderとなります。
② FCA Tokyoの場合、東京都内の輸送料は売主負担または買主負担?
→通常は、東京都内の指定倉庫までの運賃は、売主負担と考えるのが一般的です。
▼国際商業会議所の解説を読み返してみると・・・
【EXW】
・売主は集荷のための車両に積み込む必要はない
・輸出通関をする必要もない
つまり、EXWは「国内取引に適している」(=国際取引には向かない)と規定されています。
【FCA】
・FCA+売主の指定施設となっている場合、買主が手配した輸送手段への積み込みまでが売主負担
・FCA+売主の指定施設でない場所の場合(Forwarder指定倉庫などの場合)、その指定場所に到着するまでは、売主負担
・FCA+指定施設が特定されていない場合、売主が妥当と考える地点を選べる
インコタームズは、売主と買主の費用負担とリスク負担の範囲を取り決めていますが、
だれでも自分に都合がよいように解釈するものです。
契約交渉でお互いに誤解がないように確認することが大事でしょう。
▼Forwarderは、2つの顔をもっている
国際輸送は、みなさま荷主様がForwarderに輸送委託しますが、
Forwarder自身が輸送しているわけではありません。
Forwarderは個々の荷主様の貨物を集めてひとつの大口混載貨物として
航空会社や船会社(=Carrier)と輸送契約しています。
このようにForwarderは、2つの顔をもっていることになります。
・個々の荷主様へ混載仕立てのサービスを提供しています
・同時に、Carrierの代理店としての機能も果たしています