輸出コンプライアンスがさらに厳しくなるのか?

2022-06-13

安全保障と経済が切り離せない時代となり、「経済安全保障推進法」が5月に成立しました。

この 「経済安全保障推進法」 は、
サプライチェーンの確保がメインとなっていますが、
「先端的な重要技術の管理」も含まれております。

この法案について、経済安全保障の国会審議において、
「多岐にわたる新しい課題で明確な定義はない」との国会答弁もあるように
正確に理解することは難しいですが、個人的見解を述べさせていただきます。

▼「先端的な重要技術」とは?
・先端技術は、誰が何に使うかによって、民生用にも軍事用にもなる
・ある技術を軍事用に転用することはいつでも起こりうる
・最終的に、誰が何のために使うのか、わからない

このような観点から
先端技術の海外流出(役務輸出)を一層コントロールすることだろうと理解しております。

▼輸出コンプライアンスがさらに厳しくなるのか?
いままでも、すべての輸出者は、不正に貨物の輸出や技術の提供をしないように、
法人も、個人も、外為法に則った輸出管理を求められてきました。

日本の輸出コンプライアンス管理は
リスト規制とキャッチオール規制のダブルチェックするしくみが前提となっています。

リスト規制の中でも、役務(技術)の判定に苦労することが多いと思いますが、
軍事転用とは無関係に思える製品や技術でも、知らないうちに軍事転用されることもあります。

今まで以上に輸出企業は、
日本から輸出するまでの管理でなく、役務(技術)が使用されるまでの管理を念頭に、
先端技術のコンプライアンス管理への取組が重要となるでしょう。

Copyright© 2004- サプライチェイン作り国際展開のプロアイズ All Rights Reserved.