英国がTPPに参加を表明

2021-02-01

英国がTPPに参加を表明しました。
USAは政権が代わってもTPPに戻る意思はなさそうですが、
中国、韓国、タイ、台湾も参画の意思があるような報道がされています。

▼ WTOの基本原則を享受できない状況がますます進む?  
多角的な自由貿易をめざして世界の160ヶ国以上も参画しているWTOでは、
加盟国が増加して交渉範囲が拡大したことから全体最適の方向性を見出せないまま、
また世界的に自国中心主義が台頭したことにより、

20年以上もの間、いろいろなFTA・EPAの組み合わせができあがってきました。
気の合う者どうしが「この指、とまれ」のように。

最近のTPPへの新規参入への動きもそうですね。

▼世界はGATT-WTOの下で貿易を自由化してきた 
世界の貿易体制は、
・モノの貿易を取り決めたGATT協定を発展的に解消して、
・関税協定だけでなく知的財産権などに対応するWTOが1995年にスタート。

WTOは、保護主義的な閉鎖的な政策が世界の貿易振興の妨げとなるとの考えから、
関税引き下げなど「原則自由」の貿易体制の機能を果たしてきています。

WTO加盟国はすべての加盟国に対し、同じ関税率を適用すること
これがWTOの基本原則です。

しかし、
加盟国が160ヶ国にもなると全体のコンセンサスを得ることが難しくなり、
FTAやEPAなどの個々の国どうしの交渉に走るようになり、
WTOも特例として認めざるを得なくなっていました。

すべての加盟国に対し同じ関税率を適用するというWTOの基本原則を
享受できない状況、様々な格差がますます進むのではないかと感じています。

▼貿易は格差を拡大させるか?
「貿易国家のジレンマ」( ミレヤ・ソリース 著、日本経済新聞出版社刊)

この序文の最後にある著者の言葉を共有したいと思います。
「心が内向きになっていくように思われるこの不安定な時代に、
柔軟な思考と寛容な心の重要性について、
また人と人との交流を育てることの計り知れない可能性について、
次の世代に伝えるこれより強いメッセージは考えられません」

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