国際運賃、需給バランスの論理でコストアップか
2021-05-07
タイトな需給バランスを反映して運賃の値上がり傾向もさることながら、
スペース確保に3-4週間もかかっていると既報いたしましたが、
興味ある記事を読みましたので、共有いたしたいと思います。
▼値段に関係なく、新たなスペースが取れない状況が続く海上コンテナ市況
特に、北米向けの新規のスポット貨物で新たなスペースが取れない状況が報告されています。
「たとえ、40FTあたり1万ドルを提示しても、スペースが確保できるわけではない」
「新規の見積もり自体が出せない」
との声も聞かれます。
▼日本は輸送運賃を安く抑え過ぎてきたか?
・コロナ禍で大きく影響を受けたコンテナ不足の影響が、特に日本は大きかった
・日本の荷主が支払う運賃が他の国よりも安く抑えられてきたからではないか
・もっと高い運賃を得られる他国へのコンテナ回送が頻発しているからか?
(この記事では、中国と名指ししています)
つまり、日本は海運国にふさわしい関心と対価をもっと払うべきではないかとの提言です。
▼AIRへの影響も
「船落ち」という言葉が航空業界に影響を与えています。
コンテナ船のスペースを断られ、しかたなく航空輸送に切り替える貨物が急増しており、
このような貨物を 業界では「船落ち」と称されています。
結果として、海運業界同様に、航空業界も需給バランスの論理が働きだしています。
一部の国際宅配便では、ピークサーチャージ(繁忙期割増金)が課金されだしています。
スエズ運河座礁事故だけでなく、米西岸港湾などで深刻化する港湾混雑などを背景に、
限られた輸送スペースを考えると、当面はコスト上昇を余儀なくされるのではないでしょうか。