デルタ株のまん延がサプライチェーンに及ぼす課題
2021-08-23
感染拡大が過去最多を更新する中、世界のサプライチェーンへの影響が懸念されています。
いまのところ、日本ではまだ大問題になっていませんが、
中国をはじめ、北米・アジア・欧州など各地では港湾混雑や貨物の滞留が起き、
予断を許さない状況となっています。
▼サプライチェーンに及ぼす問題について最新情報を共有させていただきます。
・5月末に中国の塩田港で、感染者が出たことを機に、コンテナ受け入れを停止
荷役停止の影響で、港内で大量の貨物が滞留、コンテナ船沖待ちが発生
2週間ほどで荷役再開となったが、運賃水準をさらに上昇させる結果を招いた
・寧波港で、作業員の陽性が確認された
わずか1人だったが、ただちに閉鎖され、再開の見通しがたっていない
・港全体を封鎖し、大規模な検査や消毒作業を行うために、
現場作業員を隔離し、外部との接触を断つ管理が厳格化されつつある
・タグボートの乗員も含め、貨物検査やデバンニング、空コンテナのメンテナンスなど、
作業員はホテルなどに宿泊し、専用車両を使って港湾現場との間をシャトルで行き来、
家族を含む一般居住地の往来も禁じられるという徹底ぶり
このように中国での強硬な措置(まさにロックダウン)が与える影響が
船社や荷主、物流事業者など多くの世界のサプライチェーン参加者に及ぼしている新たな
リスクにどう付き合うかが課題となっています。